「警察庁から来た男」 佐々木譲 著
今回は警察と暴力団との癒着がテーマ。
最初の30ページ余りでそれはすぐわかる。
それを調べるため‘警察庁から来た男’である藤川監察官は
道警の裏金問題の件で百条委員会で
〝うたった〟津久井巡査部長に協力を依頼した。
一方、昨年末にキャッチバーで転落死した男の父親が
再捜査を依頼に来た。その際、ホテルで部屋を荒らされた。
その捜査の担当になったのが盗犯係の佐伯刑事らだ。
今回は藤川監察官&津久井、佐伯&新宮の2チームがそれぞれ並行して捜査が進む。
じわじわと真実が近づいてくると読むスピードが上がります。
前作同様、黒幕は誰かより相手を撹乱してあぶり出す感じとか、
膨大な情報から共通項を見つけ出すとか、
2つのチームの捜査の連携がキーポイントというか一番面白いところ。
藤川監察官のキャラクターが結構好きだな。
ちょっと神経質なインテリ系なんだけど、その自覚があるところや
終盤ちょっと熱くなるところとか。
対警察組織という構図の小説にしては文章が柔らかい感じ。
同じ警察小説というと横山秀夫を思い出すが、
あちらは大分堅い印象。(読みにくいという意味ではない)
言うなれば踊る大捜査線くらい柔らかい。笑 (ドラマだけど)
大捜査線みたいにコミカル要素は無いに等しいけどね。
久しぶりに好きな作家さんができた。
次は道警シリーズ第3段だ!
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 「いまさら翼といわれても」 米澤穂信 著(2017.03.10)
- 「恋歌」 朝井まかて 著(2017.03.14)
- 「治部の礎」 吉川永青 著(2017.03.30)
- 「水鏡推理Ⅵ クロノスタシス」 松岡圭祐 著(2017.04.04)
- 「がん消滅の罠 完全寛解の謎」 岩木一麻 著(2017.04.14)
コメント