「獅子の城塞」 佐々木譲 著
「獅子の城塞」 佐々木譲 著
2014-37
「天下城」の続編というか、スピンオフのような小説です。
「天下城」の主人公だった石積み職人・戸波市郎太の次男・次郎左が信長の命を受けてヨーロッパに修行に行くところからストーリーが始まります。
この時代、そう簡単に海外に行けるわけではないので信長の力があったからこそ。
次郎左は天正遣欧少年使節の随員として船に乗り込みます。
実際はどうなってるのかとウィキペディアで調べたところ、
この時の一団は伊藤マンショをはじめとする計4人の少年と、
日本人修道士ロヨラ、印刷技術習得のために派遣された
日本人少年のコンスタンチノとアグスチーノ、ヴァリニャーノをはじめとする数名の神父。
当然次郎左はフィクションの主人公なので
どう歴史の辻褄合わせをするかと思っていたんですが、
この小説では船にアグスチーノが乗るときに来なかった・居なかったので
次郎左にアグスチーノということにしとけとなった、という設定なんですねー。
途中からアグスチーノという別の少年が合流したので日本への帰国も辻褄が合いますね。
この少年が一番残っている記録が少ないらしく、もってこいの人材だったんですね。
1582年2月に長崎港を出てからマカオやゴアを経由して
ポルトガルに着いたのは2年半近く経ってから。
次郎左はその間にラテン語やローマ語を習得します。
しかし着く前に信長は討たれてしまいます。
父・市郎太が家康に次男が戻ったら城壁を積ませますと
約束したとの手紙が届き、引き続きヨーロッパで修行することを決断する。
1人ローマに留まった次郎左はゴア滞在中に知り合った石工親方の紹介で
コレッリ親方に弟子入りする。
その後ローマを終われ、各地で石積みとしてのキャリアを重ねるが
いつかは日本へ帰って城を築くことを思い描いていた。
家康が望み、呼び戻してくれるならと。
実際、これで日本に帰国していたら歴史が変わってしまうのでそんなことはないんですが、、、
ちなみに日本で初めて西洋式の城郭が築かれたのは幕末で、函館の五稜郭です。
とても面白かったです。
世界史に詳しければもっと楽しめたかも~。
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