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2017年2月 2日 (木)

「くせものの譜」 簑輪諒 著

くせものの譜」 簑輪諒 著

2017-5


歴史小説ではめずらしい連作短編集?というか群像劇に近い印象ですね。
(時代小説ではよくあるとは思うんですが)
御宿勘兵衛という武将を通して
依田信蕃、佐々成政、久世但馬、野本右近、伊達与兵衛、本多富正、今村掃部などを描く。
すべて実在だけども、私の知ってる名前は佐々成政だけでした。
ここ数年歴史小説をいくつも読んでいるけども、他の人はまったく聞いたことがなく、結構マイナー?(たぶん、きっと)

いや~よかった!ここ最近読んだ中でダントツ面白かったな~。

御宿勘兵衛は、生まれた時から武田家の家臣だったため、
武田家のために戦をするのが当たり前だった。
武田家が滅亡した時すでに戦上手であったが、まだ十代の若者で、
同じく武田家臣だった依田信蕃に突き放されることで自我を目覚めされられたとでも言おうか、自分が仕えたいと思う主君を求めて戦いながら転々と主を換えていくことになる。
大河ドラマ「真田丸」ですっかり人気になった真田昌幸も少しだけど出てきますヨ。
転々としているうちに勘兵衛は「御宿が仕えた家はみな滅びる」と”疫神”と呼ばれるようになっていた。
そんな中、やっと出会った理想の主君が結城秀康だったが、若くして病死してしまい、お家騒動が起こる。
またも勘兵衛の理想とは離れていく。
敵対した側の心情も描かれていてこれが切ないというかやるせない。
ようやく自分が英雄になるしかない、理想を取り戻すと越前を出奔し
豊臣方として戦うため大阪城へ向かうが、しかしここで天賦の才を持つ英雄・真田幸村会ってしまった。
勘兵衛の感じた絶望は計りきれない。
最後、旧知の越前衆に突入していくシーンは泣ける。
名馬”荒波”を使った心憎い演出もよかった。


巻末の参考史料の数の多いこと多いこと。
こんな無名の人たちのエピソードをこれだけ盛り込んで書くなんてよっぽど大変なんじゃないかしらん?
それぞれの人柄・個性がちゃんと光ってるし、最後は勘兵衛の気持ちが痛いほど伝わるし・・・よかったわ~。
この作家さんの本は他に「うつろ屋軍師」、「殿さま狸」の2冊があるようなので、絶対読んでみようと思います。






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